ここは天国からいちばん近い島。
どこまでも高く青い空と、果てしなく広がる青い海に浮かぶこの絶海の孤島は、天使さえもひととき羽を伸ばしに訪れる極上のリゾート地です。
白砂のビーチに美しき天使たちが半裸で横たわる景色は、まさしくパラダイス!
「いっちにっ! いっちにっ!」
そんなファビュラスなビーチには無粋に感じる、体育会系の掛け声が近付いてきました。
見ると、そこには全裸よりも刺激的な水着姿の黒髪美女天使が!
燦々と照らす陽の光を遮るには、あまりにも面積の少ないスリングショットのマイクロワンピース。大切な部分を隠す布地をどこまで細くできるかに挑むが如き、V字状の紐を首から股間にかけただけのその美女こそ、第一の美徳“忠義”の天使にして聖なる者たちのリーダー、天使長・ミカエル様であらせられます。
惜しみなく露わにされた白く輝く珠のお肌は、紫外線に負けて日焼けするほど柔ではなく、ひと足ごとにリズミカルに上下する魅惑的なふたつの膨らみも、重力を感じさせぬほどの弾力を秘めておいでです。
むしろ、ただでさえ下乳も横乳もハミ出し放題の紐水着から、いつ暴れん坊の乳首がまろび出ないものかと期待……もとい、心配になってしまうのでございます。
サリエル「まぁミカさんたら、ビーチにそのような厚着でいらっしゃるなんて。紐で自由を奪われたお乳たちがかわいそうよ。お乳はお乳の好きなようにさせてあげましょうね」
水晶のビーチチェアにうつ伏せに寝そべる天使が、顔を上げてミカエル様に声をかけられました。
天使というより女神とお呼びするほうが相応しいほどの神々しさを身に纏われたそのお方は、第三の美徳“慈悲”の天使・サリエル様。
まことに慈悲深い天使様であらせられ、水着の紐に押さえつけられた乳を哀れむほどにまで溢れる愛はファビュラスにしてマーベラス!
しかもサリエル様、寝そべる背中からお尻にかけて、水着の紐らしきものが見当たりません。
水晶のビーチチェアを下から見上げれば、さぞや神々しい景色が広がっていることでしょう。
ミカエル「今日はバカンスじゃないの。地上で見つけてきたこの子が救世主になれる力を秘めているか、トレーニングしながら試しているんだから、邪魔しないで!」
そう言って一歩脇に寄ったミカエル様の後ろから、ここまで白砂の上を走らされて荒い息を吐く小柄な顔がひょっこりと現れます。
頬を赤く染め、両手で股間を押さえつつ前かがみでもじもじと身をよじらせているのは、前を走るミカエル様のほとんど丸出しオシリーナをガン見していたためとは口が裂けても言えない模様です。
サリエル「まぁ、なんてアドーラブルな候補者さんですこと!」
思わず身を起こしたサリエル様は、当然ながら生まれたままのお姿で、その大きさは天界随一と称されるバストも何者にも遮られることなくぽよんぽよんと波打っておいでです。
それを見て、さらに前かがみになってしまう救世主候補者さん。はぁはぁという息遣いも、トレーニング時よりもなんとなく艶っぽさが増しているような……。
そこに海を渡って一陣の風が吹き、裸体が冷えてぞくりと来た様子のサリエル様、「くちゅん」とかわいらしいくしゃみをされてしまいます。
これに血相を変えたのがミカエル様。
ミカエル「まずい! とにかく逃げるわよ!」
戸惑う救世主候補者の腕を掴むなり、純白の翼で天高く舞いあがります。
一方、くしゃみをされたサリエル様が目を開けると、普段は長い前髪で隠し気味にされている邪眼がキラリと光りました。
その途端、ミカエル様は一瞬にして視界が暗転し、気がつけば指先から上腕まで完全に覆ってしまうアームバインダーで両腕を完全拘束され、大理石の円柱の上に立たされていたのでした。
実はサリエル様は恐ろしいほどの邪眼の持ち主でございまして、くしゃみをすると何が起こるかわからないという、とんでもないトラブルメーカーな一面をお持ちでもあるのです。
ミカエル「なによこれ!? サリエル、今すぐに解きなさいっ!!」
ミカエル様が憤慨されるのも、まったくもってごもっとも。しかしサリエル様、邪眼の力でこの奇蹟あるいは災いを発動させると、天使の力を一時的に使い果たしてしまい、何もできなくなってしまうのでした。
サリエル「助けて差し上げたいのは山々だけれど、しばらくは立ち上がるのもおっくうですの」
そう仰りつつ、バケツ大のふわとろバストを水晶のビーチチェアに押しつけて眠ってしまわれるサリエル様。
円柱の上に取り残されてしまったミカエル様は、サリエル様の穏やかな寝顔を睨めつけつつ、改めて己が状況を確認されます。
背中で拘束された両腕がビクとも動かせないことに加え、なにより気になるのは、股で挟み込んでいる太い棒。
しかも、目の前にまったく同じ姿で円柱の上に立っている救世主候補者がいるため、それがいかに滑稽な格好かが客観的にも理解できてしまうのでした。
サリエル「どうやら救世主を鍛える訓練のようですね。そちらの棒でつついて、先に相手を落としたほうが勝ちになりましてよ」
サリエル様が寝そべったままアドバイスをしてくださいます。ですがミカエル様、天使の誇りにかけて理不尽なルールに従うつもりはないご様子です。
ミカエル「こんなもの、飛んで天に帰ればいいだけじゃない!」
両手は塞がれても、自由になる翼を広げて飛び立とうとした刹那!
ミカエル「ふぎゃぎゃぎゃぎゃ!?」
なんと股間の棒が電撃を発し、ミカエル様を腰砕けにしてしまいます。
サリエル「ズルはだめですよ~」
恐るべしは邪眼の力! どうやら言われた通りに股間チャンバラをこなさない限り、この戒めは解けないようです。
さすがのミカエル様も覚悟を決められたか、これも特訓にするしかないと、救世主候補者と向き合います。
果たして、勝ったほうだけが解放されるのか、レベルの高い特訓をすることが重要なのか、負けたらどんなペナルティーがあるのか……。
いつまた股間に電撃を浴びせられるのかと不安を覚えつつ、今は目の前の相手を突き落とすしかないミカエル様。股間をキュッと引き締めて棒をしっかり挟み、腰を前後に繰り出して、相手に棒を突き立てます。
魔を討つ刃「ラム・サン=ミッシェル」を振るい、地獄を統べる魔王どもと何度も刃を交えてきた、神に最も忠実なる剣。
そんな歴戦のミカエル様でも、股間に挟んだ棒で相手を突き落とすというのは勝手が違うようで、かつてない苦戦を強いられておいでです。
しかも棒と棒がぶつかり合い、こすれ合うたびに、その衝撃や振動を股間で受け続けるミカエル様は、運動とは別の理由で次第に息が荒くなり始めます。
ミカエル「はぁっはぁっ……も、もうダメ……」
そんなミカエル様の敏感になられた胸の突端に、救世主候補者の突きが決まり、「あんっ♥」と身体を震わせた途端に円柱を踏み外してしまいます。
白砂の上で目を開けられたミカエル様は、両腕の戒めが解かれていたことで、どうやら邪眼の試練はクリアしたらしいと安堵されました。
ミカエル「そういえば、あいつはどうなったの!?」
なんとも下らない試合とはいえ、天使を負かしたとなれば救世主の素質はあるだろうと、ミカエル様が候補者の姿を探します。ところがビーチを見渡しても、天使しか見当たりません。
サリエル「あの候補者さんでしたら、色欲の罪で地獄送りとなりましたよ。ミカさんも人を見る目はまだまだのようですね~」
むしろこれほどの絶景を前に、一切欲情してはいけないという救世主への道のほうが厳しすぎる気もいたしますが、ミカエル様の救世主探しはこれからも続くようでございます。